入学式や入社式など、春はスーツを着る機会が増える季節です。
しかし、男女で区別された画一的なデザインに拒否感を覚えるLGBTsの人たちも多いそうです。
同じように悩んだ当事者が性別にとらわれないオーダースーツのブランドを立ち上げ、注目を集めています。
2月中旬に名古屋駅近くの貸しオフィスの一角で、女性でも着られるメンズパターンのオーダーメイドスーツの採寸会が行われていました。机には様々な厚さの生地やカラフルなボタンのサンプルが広がり、これを手掛けたのはアパレルブランド「keuzes(クーゼス)」。
この日採寸にきた愛知県の20代女性は普段胸にサラシを巻いて身体のラインが出にくい服を着ているそう。
過去にオーダースーツをつくりに行った際、店員から女性らしいデザインを勧められ何も言えなかったそうです。
「女性らしい服なんか本当は着たくないけど、初対面の店員さんに自分の事情なんか話せない。ここなら妥協せずに自分が本当にしたい服装でいられる。」と笑顔で話していました。
keuzesを立ち上げた田中史緒里さんは「誰もが、自分らしくいられるファッションで過ごしてほしい」とブランド立ち上げの理由を話しています。
田中さんは戸籍上は女性だが、自らを男性にも女性にも当てはまらないと考える「Xジェンダー」の当事者です。
友人の結婚式などの場で自分の着たい服ではなく、着丈の短いレディーススーツで身体のラインが出てしまうのが嫌だったそう。自分が本当にしたい格好で参加できないことにもどかしい思いをし、心の底から祝えず辛かったそう。
同じような悩みを持つ友人たちはいたが、解決できるような服は探しても見当たらず、
ならば自分が行動した方が早いと考えたそうです。
「みんなの本来の自分や生き方を肯定するきっかけになれるよう、これからも発信していきたい」と語っています。
【朝日新聞より引用】
身体のラインが気になる方は多く、たしかに既製品では自分の思うような形の服に巡り合うことが難しいこともよくあります。
このような取り組みが周知され、同じような悩みを持つ人たちに広がっていけばいいなと思います。