『トランスジェンダーかもしれない』と気づいた時

Guest 1. 麻倉 ケイト(あさくら けいと)― 女優・歌手・モデル

小学2年から、体は男性、心は女性という「性別違和」に気づきながらも、本心を隠し、’02年より男性歌手「KEITA」として活動。’03年、第6回上海アジア音楽祭で優秀新人賞を受賞。’07年、テレビ出演の際に歌った曲の反響がきっかけで、’09年カミングアウト。’10年、精巣摘出手術を受け、CD「女優」で「麻倉ケイト」として再出発。2013年、花嫁モデルとしても話題を集めた。2015年、初音ミクのコスプレシンガーとしてメディアでも話題と注目を集める。滋賀医科大学の公認アイドルでもある。2019年全世界同時公開の米映画でハリウッド女優としてのデビューが決定している。
公式サイト:http://kate-asakura.com / 一般社団法人LGB.T:http://lgb-t.com

―― そもそも麻倉さんはどのタイミングでご自身が、トランスジェンダーかもしれないと気づかれたんでしょうか?

幼い頃、自然と『大人になったらお母さんみたいになる』『成長したらいつか親友の女の子みたいになれる』と思っていました。そして、祖父に観せてもらった映画のオードリー・ヘップバーンに憧れて『女優になりたい』と思っていました。だけど、小学校から性別分けに違和感を感じるようになって…。

―― ランドセルなんかは男女で色分けされてましたけど最近はいろんな色の中から選ぶことが普通になってきましたが、男女差が出やすいものですよね。

『スカートを履きたい』と言うと、最初は『なに言ってんねん』なんて笑っていた先生も、次第に怒るようになり、自分の気持ちを隠すようになりました。でも、本当は解決できるかどうかはともかく、仲のいい先生と秘密を共有したかった。

―― 他の子と違う、ということでいじられることも多かった幼少期を過ごされたとか。

そうなんです。でも、3歳ごろに観た『スリラー』の、楽しそうに踊っている様子が印象的で、昔からダンスが好きでした。それで、ある日学校で、得意なムーンウォークをしたんです。すると、男女関係なく『すごい!』と言ってもらえて、そのときはじめて尊敬の眼差しで見てもらえたんです。

―― それでそのまま、芸能の世界へ?

実は、一度は医者を志したこともありました。今の仕事を選んだのは、歌やダンスが好きだったのはもちろん、芸能の世界なら、お化粧をしていても違和感がないからというのもありますね。

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