ロシアの議会下院は14日、手術などによる性別の変更を原則、禁止する法案を可決しました。
プーチン政権が伝統的な価値観に反すると見なす性的マイノリティーへの圧力が強まっています。
法案は、ことし5月、与党をはじめとするおよそ370人の議員が共同で提案したもので、14日に開かれた下院の本会議で全会一致で可決されました。
法案では、性別の変更を原則、禁止するとしていて、具体的には、手術やホルモン療法のほか、公的な証明書に記載する性別の変更などを禁止しています。
法案は近く上院でも審議され、プーチン大統領の署名で成立する見通しです。
プーチン大統領の側近として知られるボロジン下院議長は下院で可決されたあとSNSで
「この決定は国民や家庭を守るものだ」と主張しました。
一方、6月、ロシアの有力紙「コメルサント」が「トランスジェンダーの人たちや法律家、医師も否決を求めている」と報じるなど、国内で法案に反対する声もあがっていました。
ロシアでは去年12月、法律が改正され、同性愛に関する情報の発信や公共の場での活動などは「プロパガンダ」として規制の対象となり、これに基づく取り締まりも相次いで伝えられるなど、プーチン政権が伝統的な価値観に反すると見なす性的マイノリティーへの圧力が強まっています。
【NHK NEWSWEBより引用】